ミレニアムスーパーサッカーカップ2001
College Soccer Central


決勝トーナメント 試合結果詳細 (日本のみ)



■準々決勝■

 2001年1月21日(日)17:00 於:カルカッタ・ソルトレイクスタジアム 観衆:35000人


 ☆全日本大学選抜 4(1−0)0 ヨルダン
           (3−0)
   得点者)30分【全日本】藤田芳正
       55分【全日本】太田恵介 (アシスト・三上卓哉)
       57分【全日本】吉村圭司 (アシスト・三上卓哉)
       67分【全日本】関根秀輝 (アシスト・三上卓哉)

 出場メンバー (日本側のみ)


   GK:高原寿康(→70分 杉山 哲)
   DF:小林宏之、千代反田充(→83分 岩政大樹)、平川忠亮、三上卓哉
   MF:堀之内聖、羽生直剛、藤田芳正(→61分 関根秀輝)、山根伸泉、
      吉村圭司
   FW:太田恵介

 【サブ】
   GK:杉山 哲
   DF:藤倉 寛、岩政大樹
   MF:酒井 潤
   FW:深井正樹、関根秀輝、斉藤 剛

 戦評


ヨルダン戦システム  予選リーグを2勝1敗の2位で突破し、波に乗る日本チームの相手は、今年の2002年ワールドカップ予選に出場するヨルダンA代表チームである。ヨルダン国内リーグの1位ファイサルから7名、2位のアルウェダットからの6名を中心に構成され、アルゼンチン人ヘッドコーチ、リカルド・カルガッティ氏がチームを率いる。平均身長は180センチ以上で体格を生かしたパワーサッカーを得意とし、変則的な3-4-3システムでDFラインからロングボールを蹴り込み、ルーズボールへの激しいボディコンタクトで単調だが破壊力のある攻撃を展開してくるチームであった。
 一方、日本チームは攻撃のキーマン、FW深井が疲労と体調不良のためスタメンから外れ、太田のワントップで中盤を厚くする4-5-1でスタートした。ゲーム序盤からヨルダンの中盤を省略したロングボール攻撃が続き、日本は思い通りにボールをシンプルに動かす展開ができず、苦しい試合展開となった。瀧井監督の指示で吉村と山根のポジションをチェンジし、蹴り合いのサッカーではなく、素早いパスワークでボールを展開するように修正した日本は、徐々に山根、堀之内を中心に中盤を支配し始めた。そして前半30分、右サイドからのクロスボールを相手がクリアーしたが、こぼれ球を藤田が30メートルのロングシュートでヨルダンゴールの右上に豪快に蹴り込み、貴重な先制点を挙げた。
 後半開始からヨルダンは勝負に出てきたが、55分右CKから太田がヘディングできれいに合わせて2点目を決め、さらにその3分後、三上の左サイドのオーバーラップからのクロスを吉村が左足でクリーンシュートし、一気に相手を突き放した。すっかり集中力の切れたヨルダンは、冷静さを失いラフプレーに終始し、退場者を出して完全に自滅した。さらに攻撃の手をゆるめない日本は、交代出場の関根がこの日3アシストの三上から送られたクロスボールを二アーサイドで見事に合わせ、大量4得点。守備陣も高原、小林、千代反田のセンターラインが安定した力を出して4試合で1失点。3試合完封勝ちの素晴らしい内容でついに準決勝に進出した。深井欠場のゲームを徹底したチーム戦術で乗り切り、チームはまたひと回り大きく成長した。新年早々、国際大会でのベスト4進出は大学サッカー界にとって、新たな夢と希望を与えてくれるビッグニュースとなった。

文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)

■準決勝■

 2001年1月23日(火)19:00 於:カルカッタ・ソルトレイクスタジアム 観衆:40000人


  全日本大学選抜 0(0−1)1 ユーゴスラビア☆
           (0−0)
   得点者) 5分【ユーゴ】Duljaj Igor

 出場メンバー (日本側のみ)


   GK:高原寿康
   DF:小林宏之、千代反田充(75分 藤倉 寛)、平川忠亮、三上卓哉
   MF:堀之内聖、羽生直剛、藤田芳正(55分 酒井 潤)、山根伸泉、
      吉村圭司(46分 関根秀輝)
   FW:深井正樹

【サブ】
   GK 杉山 哲
   DF 藤倉 寛
   MF 鈴木崇徳、酒井 潤
   FW 関根秀輝、斉藤 剛

 戦評


ユーゴ戦システム  13ヶ国(当初16ヶ国予定)が出場して1月10日に開幕したこの大会の準決勝第2試合は、4万人の大観衆が集ったソルトレイクスタジアムで行われた。すでに決勝進出を決めているボスニア・ヘルツェゴビナと対戦するのは、ヨーロッパの強国ユーゴスラビアか、アジア地区から唯一勝ち残った日本か、楽しみな一戦となった。ここまで日本は予選リーグを2勝1敗の2位で通過。準々決勝に入っても勢いは止まらず、対ヨルダン戦では後半のゴールラッシュで4対0と圧勝し、準決勝へと駒を進めた。しかし、この日はこれまで3得点している194センチの長身FW太田が累積警告で出場停止となり、大型選手の多いユーゴスラビアに対して、日本は深井、羽生、山根の機動力とスピードを武器に戦いを挑んだ。一方のユーゴスラビアは、A代表選手の多くが外国リーグでプレーしており、今回の代表チームはFKパルチザンやベオグラードなど国内リーグでプレーする選手で構成され、24歳が5名、25〜30歳が11名で代表Bクラスの実力を有する。
 試合は前半開始から高さとテクニックを兼ね備えたユーゴスラビアのペースで始まった。日本は今まで通り組織的なプレッシングでボールを奪いに行くが、流れるようなパスワークで次々とかわされ、選手達は戸惑いと動揺を隠し切れなかった。そして前半5分、日本DF陣のクリアーミスをユーゴスラビアのボランチ(4)Duljajに拾われ、GK高原が少し前へ出たところをループシュートでクロスバーぎりぎりに決められて先制点を早々に許す苦しい展開となった。しかしその後は冷静さを取り戻し、深井、羽生がスペースに走り込み、ユーゴスラビアのゴールへ何度か迫った。
 後半に入ると、ユーゴスラビアの運動量が落ち、自陣深く引いて守る守備的な布陣となった。積極的な選手交代で攻勢に転じた日本は運動量で明らかに勝り、ボール支配率も6-4から7-3で日本優位となった。後半30分過ぎには、小柄なFW深井が鋭い反応からドリブル突破し、GKと完全に1対1となるビッグチャンスをつかんだが、相手GKのスーパーセーブに阻まれ、絶好の同点機を逃した。結局、前半開始早々の1点に泣き、決勝進出は果たせなかったが、最後は3バックにして最後まで諦めずユーゴスラビアを追いつめた戦いは賞賛に値する内容だった。短い準備期間だったがチームは結束し、カルカッタの想像を超える劣悪な条件や度重なる日程変更にも屈することなく戦い続けた。5月の東アジア大会、8月のユニバーシアード本大会へ向かってチームは大きく成長した。とても過酷で有意義な3週間であった。

文責・乾 真寛(全日本大学選抜コーチ)

予選リーグ結果詳細

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