2003年 第77回関東大学サッカーリーグ 1部リーグ第2節
College Soccer Central


駒澤大‐中央大 試合レポート・コメント・写真


試合レポート
 
記録


 圧倒的に駒大ペースで始まった試合。駒大は中盤から、あるいはサイドからシュートを放り込むものの中大のDFライン、特にGK植村の好セーブにより得点までは至らない。一方、3トップにしてカウンターで攻める中大も2度3度チャンスを作るが、前線が下がり気味になってしまい、なかなかゴールに結びつかない。結局、前半は駒大が攻めながらも0−0のまま終了。
 試合が動いたのは後半10分。それまでもたびたびチャンスを作っていた駒大・右ハーフの永井が、圧倒的なスピードのドリブルで中大のサイドを突破。エンドラインギリギリまで持ち込むとファーにいる中田にクロスを送り、中田がそれを冷静に蹴り込んでゴール。苦しみながらも待望の先制点を挙げた。これで一気に流れに乗りたい駒大だったが、3分後には左SBの筑城が中大・伊藤に対するラフプレーで2枚目の警告をもらい退場。その後は数的有利にたった中大が攻勢に転じるが、駒大は急遽中盤の小林を左SBに下げて中大の攻撃に対応。さらに田中を中盤に投入し、中田も中盤に下げて巻の1トップで体制を立て直すと中大の猛攻をしのぎ、1点を守りきって念願の初勝利を手にした。

コメント


■駒澤大 秋田浩一 監督

 今日のシステム変更は、相手が3バックだったということもあって、両サイドのスペースを使うためにスピードのある永井を中盤に入れた。また、田中の調子がよっとよくないということと、栗原に自信をつけさせたいということで栗原を右SBに、小林を中盤に上げた。
 今までに比べると、今日はDFが非常に粘り強くやってくれたと思う。結果、退場者が出ても辛勝だが勝つことができたと思う。逆に攻撃のほうは粘り強さがないし、ガメつさがない。とくにFWの赤嶺や橋元が淡泊なので、もう少しゴールに対してガメつくなって欲しい。正直、前半に点が取れていればもう少し楽だったと思う。巻や深井の存在が強烈だった分、どうしても赤嶺に対する期待が大きくなってしまうのは本人に酷かもしれないが、できなことはではないと思っているので、もう少しゴールに対する執着心を見せてほしい。
 中田については、やはり前線からの守備と運動量が不足していると思ったので、キャプテンということもあり、前からそうしたことをやってほしいという意味でトップに配置した。来週は原が高校選抜の遠征から帰ってくるので、原の調子を見てからになるとは思うが、基本的には赤嶺と巻の調子のいいほうを中田との2トップに組ませることになると思う。中盤に関しては、(筑城の出場停止で)小林が右SBに戻ってしまうので、田中か初戦で使った中嶋を入れることになると思う。場合によては田中をボランチで使って、中後を前で使うということも考えている。
 次節については、今日の中大と同じようにがんばれるチームだという印象があるので、試合内容的には来週も今日と同じような感じになると思う。ただ、こうしたがんばれるチームに負けないようにするのが大切だとも思っている。あとは前からのディフェンスの意識を、選手個々ではなくチーム全体の意識として持つことがポイント。そのうえで、決定的なチャンスを入れられるかどうかが鍵になると思う。

■駒澤大 中田洋介 主将

 日大戦で1点しか取れず、決定力不足が問題というのは痛感していた。裏に抜ける動きが少ないと感じていたので、今日は(トップの位置で)リズムを変えようということを意識して動いた。ずっとサイドをやっていてトップは長くやっていなかったので慣れない部分はあったが、まずは自分が動くということを意識してプレーした。
 前節についても負けたわけではないし、勝ち点1は取れていたので、今日の試合に向けていい意味での切り替えはできていたと思う。
 前半に1点取れていればもう少し楽だったと思うが、0−0で折り返したのでカウンターが怖かった部分はあった。その分、DFには集中するようというのは伝えてきた。退場後については、かえってDFラインが引き締まった面もあるし、初勝利はもちろん失点ゼロに押さえられたことがチームとしての大きな自信になったと思う。
 次節の順大は2敗していることもあってイヤなチームではあるので、気をつけていきたい。

■中央大 山口芳忠 監督

 今日の試合は一見押されていても守り切ってチャンスを活かすという、ウチのペースで勝てる試合だったと思う。だが、とにかく点の取られ方が悪かったし、非常にもったいなかった。昨年までは、こうした試合も勝てていたが、そういう所で1部と2部の違いだし、この2戦で選手も身に染みたと思う。この違いについては、毎試合毎試合重ねてなれていくしかない。
 初スタメンの佐々木については、高さもあるし調子がよかったので少し使ってみようかなと思ってつかった。何とか点を取りたかったから、というのもある。  去年に比べるると、当然のことだが対戦相手が強うので先に先手を取られてしまう。特にリーグ序盤は上位校と当たるので攻められるのは覚悟していたが、そこでしっかり守れていれば。いずれにしても、失点パターンが非常につまらない形だったのでもったいないのひと言に尽きる。
 今日は10人になってから攻めることができたのだが、やはり決め手がなかった。これは、今後に向けて課題でもある。
 次節の国士大は、割とオーソドックスなサッカーをするところだと思っている。ボールを回されることになるかもしれないが、まずはつまらない失点をやらないことが一番。そのうえで、細かい部分や節目節目でで攻守の切り替えを早くしていきたい。
 第1節のあとは、セットプレーからの失点ばかりということもあって敗戦のショックは少なかったのだが、今回も次に引きずらないようにしてい。


Photo/Text:Reiko Iijima

College Soccer Central 2003年第77回関東大学サッカーリーグ前期 第2節結果