2001年 第75回関東大学サッカーリーグ
College Soccer Central


2部リーグ第3節 明治大−立正大 戦評・コメント



戦評
 
公式記録


明治大立正大  比較的ゆっくりとしたペースで始まったこの試合は、立ち上がりこそ明治大が積極的な攻撃の形を見せていたものの、15分すぎから徐々に立正大がゲームの主導権を握るという展開となった。始めこそ圧倒的にボールをキープしていた明治大だが、ジリジリとラインを押し上げてくる立正大の動きに対応しきれず、前線が孤立する場面も。対する立正大は、中盤での激しいチェックと落ち着いた試合運びで、「準備していた通りの攻撃ができた」(立正大・秋山監督)という堂々とした戦いぶりを見せる。しかし両チームともにシュートミスが多く、また決定的なシュートをバーに阻まれるなどチャンスを活かしきれないまま前半は0−0で終了。
 後半に入ると明治大は突破力のある(31)松ヶ枝、(32)斉藤の1年生コンビを投入。と同時に「前半は相手の2トップがタテに並んで、1人が引いて起点を作っていたので戸川が引きずり出されていた」(明治大・吉見監督)という3バックを4バックに変更。「4バックにして、その起点をつぶすことを指示した」と攻守両面での修正をかける。立正大もFW(9)飯田に代えて(13)森田を投入するなど、チームの雰囲気を変えて残り45分の流れを引き寄せようと試みる。その成果が先に出たのは立正大のほうだった。後半開始早々の10分、(7)可児の放ったCKを(6)安がつなぎ、最後は交代したばかりの(13)森田がヘディングで左スミに叩き込んで先制。だが、第1節の日体大戦では逆転負けを経験しているだけに「すぐに2点目を狙いにいくのではなく、相手の攻撃を防いでいこうとした」(同・秋山監督)という立正大は、勢いに乗って追加点を攻め急ぐよりは1点を確実に守るサッカーに転換。結果として、同点に追いつこうとする明治大の攻撃に対して受け身に回る形となってしまう。
 一方の明治大は、1点を先制して攻守両面で中途半端になった立正大の左サイドをつき、立正大DFの裏に抜ける攻撃を展開。これに応えたのが前節でも得点を挙げ、「ラッキーボーイ的な存在になってくれれば」と吉見監督が期待を寄せる新人の(31)松ヶ枝。73分、自ら右サイドを突破してチャンスを作ると、ゴール前の混戦の中からこぼれたボールを押し込んで貴重な同点ゴールを挙げる。この同点ゴールで勢いに乗った明治大は、波状攻撃で残り20分弱の間に何度も立正大ゴールに迫る。83分には、立正大DFのクリアミスを拾った松ヶ枝がGKと1対1となるシーンを得るも、シュートはゴール右上に反れてしまう。結局、明治大が最後まで攻め続けたもののゴールを決めきれず、1−1のまま試合は終了。3試合で勝ち点3を目標にしていた立正大にとっては予想を上回る健闘となったが、2試合連続で引き分けの明治大は「90分間攻めて、あれだけチャンスがあって勝ちきれないというのはしんどい」という吉見監督通りの、痛い引き分けとなった。

(写真=中盤でボールを奪い合う明治大・西口(左)と立正大・可児(右))

コメント


■明治大 吉見 章 監督

 動き出しが遅いし球離れも悪いという、“サッカー”以前の問題が多かった。相手のに合わせてしまって、1点取られてからようやく動き出しが早くなったという状態。ボールを持てずキープできないのは苦しい。相手のペースにまんまとはまってしまった。セットプレーには気をつけろと言っていたのだが……。それよりこっちもあれだけセットプ レーをやっていたのでそこで1点がほしかった。1年生を入れて元気が出てきたのは好材料。最初から起用するかどうかは別として、45分間で面白いものを出してくれるようになったと思う。

■明治大 松ヶ枝泰介 選手

明治大松ヶ枝  2試合連続ゴールだが、2試合ともインチキゴールです(笑)。チームには早くから合流していたが、最初はコンビネーションなどが全然合わず、最近ようやく合うようになってきた。今日はゴールしたものの決定的なシーンで外しているので、今後は確実に決められるようになりたい。新人王を狙っているので、新人王が取れるようがんばっていきたい。


■立正大 秋山隆之 監督

 前節の試合で勝っているということもあり、選手の中でちょっと引き分け狙いという武運があったのかもしれない。決めるべきところで決められていれば3−0で勝っていた試合だが(笑)、それはお互い様という部分もあるし、双方シュートミスが多かった。今年関東リーグにあがってきたということで、対戦相手はウチを知らないわけだし、1点を先にとればアドバンテージになると思うのだが、明治大はやはり伝統校。勝ちに対する執着心や劣勢に立たされたときの強さはさすがだと思った。今日の試合では、ボールの取られ方が悪く、試合中に修正しきれない部分があった。失点シーンがまさにそんな感じだったので、全体としてのまとまりも含めて次までに修正していきたいと思う。

■立正大 安 英学 選手

立正大安  先制して勝ちが目の前に見えてきてしまって、守りに入ったという感じはある。そこをつかれたのかもしれない。前節の初勝利で、関東リーグでもやれるという自信はついたのだが……。今日の試合では、前半に自分たちのサッカーを出し切れなかった部分もあるし、後半にもっとできたと思っていたので残念という気持ちがある。自分としては、攻撃につながるパスも出したいしDF面でもしっかりとうやりたいというか、攻守両面でのプレーをアピールしていきたい。当初は3試合で勝ち点3が目標だったし、それを上回る勝ち点4が取れているので欲張りすぎてもいけないとは思うが、試合内容自体はもっとよくなると思う。

Text/Photo:Reiko Iijima

College Soccer Central 2001年第75回関東大学サッカーリーグ 第3節結果