2001年 第75回関東大学サッカーリーグ
College Soccer Central


1部リーグ第6節 順天堂大−慶應義塾大 戦評・コメント



戦評
 
公式記録


順大慶應大  前節の青山学院大戦で初ゴールと初白星を挙げた順天堂大は、その勢いのまま2勝目を挙げようと立ち上がりから積極的にボールを動かす。しかし対する慶應大も、守備には定評があるだけに順大の攻撃を危なげなく防ぎ、逆に初戦以来のゴールを狙う。だが、お互い「守備の意識が強くて攻撃の意識がなかった。結局中途半端になって、前半はきつかった」(慶應大・吉峯グラウンドマネージャ)というように、攻めの形が単調になりなかなかゴールシーンが生まれない。それでも、30分前後には順大の新人FW(33)堀健人がゴール左隅に決定的なシュートを放つが、これは慶應大GK元木の好セーブで得点ならず。逆に、先制点を取ろうと前がかりになっていた順大の隙をつき、41分に慶應大(10)冨田が中盤でボールをキープ。サイドから上がってきた(14)仲小路にパスすると、仲小路がそのままドリブルで相手をかわしシュート。見事なカウンターで慶應大が待望の先制ゴールを挙げ、前半は終了。
 後半に入ると、なんとか追いつきたい順大が反撃をはじめるが、先制点を挙げた余裕もあってか慶應がボールをキープする場面が多くなる。「後半は相手のゾーンをコントロールできたいた」(同・吉峯グラウンドマネージャー)という言葉通り、丁寧なカバーリングとサイドからの押し上げで、順大ペナルティエリア内まで攻め込むチャンスシーンも。一方の順大も積極的にメンバーを交代し、なんとか流れを引き戻そうとする。69分には中盤やや右からボールをキープした(34)矢野根が豪快なシュートを放つが、前半も決定的なシュート2本を止めた慶應GK元木がまたもやストップ。順大は徐々に個人技に頼るしか突破口が見出せなくなる。36分には、(2)山崎が強引な突破でゴールを狙うも、慶應の堅守に阻まれ得点までいたらず。結局、前半の1店をキッチリ守りきった慶應大が、そのまま逃げ切って試合は終了。慶應は待望の2勝目を挙げるとともに、初戦以来の貴重なゴールで勝ち点を9に伸ばした。

(写真=先制点をアシストした慶應の中盤の要、冨田(中央))

コメント


■慶應義塾大 吉峯龍馬 グラウンドマネージャー

 前半は相手にゾーンを握られていたが、後半は相手のイヤなところを攻めることで相手のゾーンを広げた。前半はゾーンの位置が低くて(相手に対する)プレッシャーになっていなかったので、後半はサイドと中盤の押し上げを徹底し、DFライン全体の出だしを速くしたいとは思っていた。あとは、空振りでもいいからシュートを打って、相手のゾーンを下げるよう指示した。
 2得点で勝ち点9というのもおかしいことだとは思うが(笑)、春は我慢だと思っている。今日の試合も、もっと攻撃をしたかったのだが結果的には守備で手一杯という状況になってしまった。攻撃に関してはまた秋への課題になると思う。


■慶應義塾大 元木 新 選手

慶應大元木  今日はいい面もあったけれども、悪い所も目立ってしまったので自分的には満足していない。具体的には、縦方向のボールに対するポジションが悪く、裏に抜けられたときなどの対応が今イチだった。ただ、順大は横からの攻撃が多いと思っていたし、横の反応に持っていけば必ず止められるという自信はあった。どうしても攻められる時間帯が多いが、それが普通だと思っているし、そのほうがリズムが掴みやすいのであまり気にはしていない。
 今年から堀池GKコーチがきてくれているが、細かい技術の面やGKがチームに与える影響力など勉強になることが多い。自分の理想のキーパー像というものと、そうしう指導がミックスして、自分としても成長できたのではないかと思う。


■順天堂大 青葉幸洋 選手

順大青葉  相手に先に点を取られて、気合いの入った部分もあったがそれが焦りもあったと思う。試合前から順位を上げたいと思っていたので、分けるより勝ちたいと思っていて、その分前がかりになってバランスが崩れた。このあと1ヶ月半の間に教育実習で5人の選手が抜けるということもあって、チームがまとまり切れなかったということに対する不安はある。

Text/Photo:Reiko Iijima

College Soccer Central 2001年第75回関東大学サッカーリーグ 第6節結果