2001年 第75回関東大学サッカーリーグ
College Soccer Central


1部リーグ第2節 国士舘大−駒澤大 戦評・コメント



戦評
 
公式記録


国士大対駒澤大  第2節の最終試合となったこの試合は、国士舘大と駒澤大、両チームのスピードとテクニックが真っ向からぶつかりあう、見応えのある試合展開となった。開始早々の4分に先手をうったのは駒澤大。右サイド、(2)木村からのボールに長身FWの(9)巻が合わせ、キープしたボールを駒澤大のエース(10)深井が素晴らしいスピードのドリブルで突破し、そのまま目の覚めるようなシュートで先制ゴールを挙げる。この先制点で勢いに乗った駒澤大は、その後も2列目からの飛び出しや深井のドリブルで一気呵成に国士大ゴールを攻め立てる。
 一方の国士大も外側からの攻撃を仕掛けるものの、展開が小さすぎてペナルティエリアの中まで入らせてもらえない。逆にカットされたボールを、運動量豊富な(8)森田、スピードのある(16)中田といった駒大の中盤に拾われ、ピンチを招くシーンも。なんとか同点に追いつきたい国士大だったが、そんな攻撃の粗さが裏目に出る形となり、28分に再び深井の独走を許して追加点。駒澤大が2−0とリードを広げた。
 これ以上差を広げるわけにいかない国士舘大は、その2分後にFKから(18)田中が2試合連続となるゴールを挙げて1点差に迫るが、その後は決定的なチャンスを作れないまま前半が終了。「去年の対戦で深井にほとんど仕事をさせなかったが、この試合では深井に簡単に前を向かせてしまった」と国士舘大の大澤監督が悔やむように、深井のスピードが際立った45分間だった。
 後半に入っても両チームのスピードは衰えず、攻守の展開の速い好展開となった。しかし「国士大には絶対に負けたくないという、メンタル面での強さが前面に出ていた」(秋田監督)という駒澤大が、常に国士大の攻撃を押さえ込む形となる。また同点ゴールを焦る国士大が、徐々に個人プレーに終始していくのに対し、「自分や巻を中心にいいリズムで戦えたし、裏からも足元からも、いろいろな攻撃ができた」(駒澤大・深井)という駒澤大が随所で判断のよい攻撃を見せ、積極的なプレーで3点目を狙う。それでも75分すぎからは国士大も怒濤の攻撃を見せ、84分には右サイド(33)清水から受けたボールを(27)藤沼がヘディングで叩きつけるが、バウンドしたボールがバーに当たってノーゴール。結局、後半は両チームともにノーゴールのままタイムアップとなった。
 この結果、第75回関東大学リーグは2節にして早くも全勝チームがなくなり、例年以上に波瀾含みの結果に。「今日負けたら、昨年の筑波のように国士大が独走する可能性があるので、なんとしてもそれをくい止めようと思った」という駒澤大・深井の言葉通り、この試合での駒澤大の活躍が今後のリーグに与えた影響は少なくないだろう。

(写真=スピードある突破で駒大のチャンスを演出した中田(手前)と深井(奥))

コメント


■駒澤大 秋田浩一 監督

 今日は、絶対に負けたくないという気持ちが前面に出ていた。この1週間は、守備の話ばかりしてきたのだが、後半押されてきたときに、そうした点の成果が出たのではないかと思う。攻撃に関しては、巻が競ったら(相手に)勝っても負けてもその裏に回るようなパターンの徹底ができていて、今回はたまたまそれが2回ほど決まっただけ。本当はもっといろいろなパターンもタメしているし、攻撃のバリエーションを増やすのは今後の課題だと思う。

■駒澤大 深井正樹 選手

駒大深井  自分自身の出来としては、よくもないし悪くもないといった感じ。ただ、前節の中大戦に比べるとスペースがあったので動きやすかった。中大戦のときは、僕らのやりたいことを先に中大がやっていて、自分たちのサッカーがほとんどできなかった。それに比べると、今日はかなりよくなっていたんじゃないかと思う。結果を残せたことは評価できるがボールを離すべきところで持ってしまったり、逆に持つべきところで離してしまうなど状況判断がよくない部分もあったので、決して満足はしていないが、次につながる試合だったと思う。今年はリーグ戦も長くなったし、チーム間に大きな力の差はないと思う。1週間で技術や戦術が飛躍的に伸びるはずもないし、最後は気持ちの面での違うが出てくると思う。そういう意味で、今日はみんなの負けたくないという気持ちが前面に出ていたのがよかった。


■国士舘大 大澤英雄 監督

 今日は、こちらが相手の注文通りのサッカーをしてしまったという感じ。 DFの齋藤竜に疲れがあったので、大事を取って休ませたが、彼がいないことで味方をリードするというか、鼓舞する選手がいなくなってしまった。DFラインを押し上げるのも遅く、結果として最初のアプローチ自体はできるのだが、その後にDFが守るゾーンが広くなるなどコンパクトなサッカーができなかった。両サイドのDFのプレーも中途半端。もっとセーフティーに、わかり易くやらなければならないところで無理している部分が多すぎた。竜がいないことによる選手の入れ替わりはマイナスだったと思うが、それにしてもこちらの思惑通りのサッカーがまったくできない試合だったと思う。

Text/Photo:Reiko Iijima

College Soccer Central 2001年第75回関東大学サッカーリーグ 第2節結果