2001年 第75回関東大学サッカーリーグ
College Soccer Central


1部リーグ第2節 東京学芸大−青山学院大 戦評・コメント



戦評
 
公式記録


東学大対青学大  「内容はない。たまたま勝てただけ」という、東京学芸大・松本監督の厳しい言葉が示すとおり、終始青山学院大にペースを握られた東学大が、最後に勝ちを拾った試合だった。
 均衡した展開でスタートした試合だったが、20分を越えるころから青学大がペースを掴み、中盤からの積極的なアタッキングで試合の主導権を握る。一方の東学大は攻守両面でボールが落ち着かず、結局ロングボールに頼るなど、東学大らしい戦術的なサッカーがまったく見られない。青学大はそんな東学大の足元を狙い、(10)北村や(7)小谷、(14)川辺などのサイドの選手が速いパスワークでリズムのいい攻撃を仕掛ける。しかしラストパスの精度を欠き、度々のチャンスにもゴールを挙げられないまま前半は終了。
 「完全に(ボールを)持ちきれない部分があったので、後半は修正させた」(上倉監督)と、さらに攻撃的な指示を出した青学大に対し、ハーフタームに「まず選手を一喝した」(松本監督)という東学大は、チーム全般の位置を修正。特にDFラインを上げて高い位置から仕掛けることにより、全体の流れを変えようとする。さらにFWの(27)久保田(学)、ボランチの(6)桐田を投入し、中盤と前線でボールをキープしようと試みる。その成果もあってか、徐々に東学大がリズムを取り戻してきた矢先の71分、(7)榎本のFKからのこぼれ球に(6)桐田が反応。豪快なシュートを放ち、先制点を挙げた。
 結局、この桐田のゴールが決勝点となり試合は終了。圧倒的にゲームを支配しながら、「リスタートの確認をしたつもりだったが完全ではなかった」(上倉監督)とミスで勝ち点を失った青学大と、「今日は学芸らしさがまったくなかった」(松本監督)とい展開ながらワンチャンスをモノにして勝ち点3を得た東学大。ともに、次節に向けての早急な修正が望まれる結果となった。

(写真=青学大・伊藤(左)と東学大・保坂(右)の両ボランチが中盤で競り合う)

コメント


■東京学芸大 松本直也 監督

 全般的に動きが少なすぎる。ボールの動きにしても、人の動きだしにしても、あまりにも動きがなかった。久保田(学)、桐田に関しては、もう少し全体の動き出しを速くしたいということで投入した。久保田に関しては、前線でタメが作れるし、ボランチに入れた桐田は、少し攻撃的に飛び出すよう指示した。青学大は10番の北村が怖いので、ボランチに保坂ひとりを残すのはリスクもあったのだが、結果としてそれがいい方向にはいったと思う。次節に向けての修正点がありすぎるといったところではあるが、もっと自信を持って、積極的なサッカーをして欲しい。とにかく、今日は学芸大らしさがまったくなかった。堀之内のケガがゴールデンウィークあけまでかかりそうなので、堀之内がいないチームのシステムを、もっと突き詰めなければいけないと思う。

■東京学芸大 藤倉 寛 選手

学芸大藤倉  今日は全般的に攻撃のバリエーションが少なかった。どう攻めるということが決まっていないので、向こうにペースを握られるような展開になってしまったのだと思う。(新人ボランチの)保坂との連携がまだうまくいっていない部分があって、今日は自分のほうにミスが多かった。次節までの1週間で、そうした点をどう修正できるかが重要になってくると思う。


■青山学院大 上倉 功 監督

 今日はちょっとしたミスや思い通りにならないところがあって、そうした面からリズムを作れなくなっていた。ただ、今日の試合で1部リーグでやっていける自信を確認できたのではないかと思う。次節についても、相手がこうだからやり方を変えるということはない。自分たちのサッカーをどこまでできるかといったほうが重要。むしろ、今日の試合結果が尾をひかないよう、切り替えて準備したい。攻撃に関しては、多少無理な状態でも、とにかく思い切ってシュートを打つことが重要。そこから、始まる攻撃やチャンスもある。今日はあまり面白いサッカーを見せることができなかったので、次はもっと面白いサッカーを見せたい。

Text/Photo:Reiko Iijima

College Soccer Central 2001年第75回関東大学サッカーリーグ 第2節結果