2001年 第75回関東大学サッカーリーグ
College Soccer Central


1部リーグ第2節 中央大−順天堂大 戦評・コメント



戦評
 
公式記録


中央大対順天堂大  「順大の気迫に負けてしまっていた」という中央大・山口監督の言葉通り、引き分けという結果ながらどちらかといえば順天堂大ペースとなった試合。しかし立ち上がり、速いリズムの攻撃で順大を圧倒したのは中大のほうだった。中大は(6)根津、(8)太田らの速いパス回しの展開から、左右両ウイングバックを走らせる戦術を徹底。それに2トップと(10)中村らが絡んで度々順大ゴールを脅かした。しかし、15分を過ぎたころから中大はセカンドボールやルーズボールがほとんど拾えなくなり、試合の主導権は順大に移行。順大は、丁寧に攻めようとする中大の裏をつき、縦に速い展開で中大に揺さぶりをかける。その結果、中大は中盤でパスミスを連発。「どうしても順大に先手を取られる」(中大・山口監督)ようになり、防戦一方となってしまった。
 しかし主導権を握ったはずの順大も、突破はできるがシュートの形までは作れないといった状況が続く。それでも26分には、ゴール前の混戦からボールをキープした(31)堀(健)がGKを抜いてシュートを放つが、中大(6)根津がゴールライン寸前でクリアー。順大は決定的なチャンスを逃すこととなった。
 後半に入っても前半と展開は変わらず。「グラウンドが(雨で)スリッピーだったのが影響した」(順大・青葉幸洋主将)ためか、順大は中盤のパスカットから(9)伊藤、(33)堀(健)らが何度となくいい形を作るものの、詰めが甘く得点までは至らない。一方の中央大は70分前後から左右両ウイングバックを立て続けに替え、流れを再び引き寄せようと試みる。結果、途中出場の新人ボランチ、(30)田村のアグレッシブなプレーが効を奏してボールをキープできるようになったが、前線での攻めの形が雑で決定的なチャンスを作れない。最後には順大も長身FWの竹谷を投入、パワープレーで1点を狙うが叶わず、結局スコアレスドローのまま試合は終了した。
 第1節で敗戦を喫している順大にとってはもちろん、2戦連続の引き分けとなった中大にとっても“痛い”引き分け。「守備はよかったが攻撃が……」と中大・山口監督、順大・青葉主将と口を揃えたことからもわかるように、両チームの攻撃面での課題ばかりが浮き彫りとなった試合だった。

(写真=中盤で激しい競り合いを見せる中大・太田(右)と順大・伊藤(左))

コメント


■中央大 山口芳忠 監督

 順大の気迫に押されっぱなしだったし、向こうの気迫に対してこちらのプレーが軽すぎたと思う。両ウイングバックばかりに責任があるわけではないが、ウチは外から攻めるという形が基本形なので、サイドからの突破がないと非常に厳しい。そういうこともあって、後半はウイングバックを交代した。今日の収穫は守備陣の活躍。前節後半15分すぎからのバタバタを考えれば、非常に落ち着いた守備ができたと思う。次節に対戦する青学大は個々の技術が高いチームなので、相手にフリーでやらせないということをまず考えたい。とはいっても、攻撃面ではもっと突破の形を考えないとダメ。今日も足元に出すパスはいいけれど、相手DFの裏に出して突破する形が見られなかったのが課題だと思う。スピードがあってドリブルでも抜ける吉川が負傷で抜けたのは痛いが、ないものねだりをしても仕方がない。キレイごとで点は取れないので、FW陣にはもう少しムダな動きというか、がむしゃらな動きでもっとひっかき回るような気持ちでいてほしい。

■順天堂大 青葉幸洋 主将

順天堂大青葉  引き分けということで、勝てる試合を落としたともいえるし、負けた試合を拾ったともいえるとは思う。ただ去年のこと(昨年度リーグ戦での4試合連続引き分け)もあるので、正直勝ちたかったという気持ちは強い。前半の15分間に中大に攻め込まれた時間帯に関しては、立ち上がりは失点をしたくないので、前のほうでボールを動かそうという狙いがあったのだが、それが完全に裏目に出てしまったと思う。ただ、守備全般に関しては前節に比べてしっかりできたと思う。 あとは、攻撃面。シュートまで行ける形を作らないと勝てないと思うので、次節はシュートまで持っていく攻撃の形を作りたい。

Text/Photo:Reiko Iijima

College Soccer Central 2001年第75回関東大学サッカーリーグ 第2節結果