2001年 第75回関東大学サッカーリーグ
College Soccer Central


1部リーグ第1節 国士舘大−順天堂大 戦評・コメント



戦評
 
公式記録


国士大対順天堂大  リーグ第1節最後の試合となる国士舘大対順天堂大戦は、「今日の試合は、やろうとしていたことのすべてのレベルが違った」という順天堂大・吉村監督の言葉通りに点差以上の実力差を感じさせる展開となった。
 試合は開始早々から国士舘大がペースを掴み、8分には「一番期待しているFW」として国士大・大澤監督が名前をあげていたFW(18)田中が先制。やや右外からドリブルでペナルティエリア近くまでで持ち込んだ田中は、順大DFのポジショニングの甘さを見逃さずに間髪をおかずシュート。「早めに先制点を取ろうと思っていたし、あのコースは狙っていた」(国士大・田中)という読み通り、ボールは順大GK阪本の手の先を抜け、ゴール左スミに吸い込まれていった。
 この1点で余裕の出た国士舘大は、その後も早いパス回しと確実なチェックで順大を圧倒。「国士大のビルドアップが早すぎて相手に寄せることもできなかったし、それを修正する時間もなかった」(吉村監督)と言うように、順大は攻撃の突破口さえ見出すことができず苦境に追い込まれる。波に乗る国士大は、27分にボランチの(27)藤沼が角度的にも難しい場所からGKの意表をつくシュート。「藤沼らしい素晴らしいゴールだった」と大澤監督も絶賛するゴールで、さらにリードを広げ前半を終了した。
 後半に入ると、2点差リードの気の緩みからか国士大は「中盤でのルーズボールが拾えなくなった」(大澤監督)。一方の順大は前半に調子の悪かった(6)大野、(15)田辺に替えて(9)伊藤、(34)矢野根を投入。徐々に反撃体勢整え、左サイドから(33)堀健人が切り崩すといった攻撃を何度か試みた。しかし国士大(3)齋藤、(23)村山の両CBの好判断もあり、なかなかペナルティエリア内に入らせてもらえない。
 61分に国士大は右の中盤、大谷に替えて1年生の清水を投入。この清水が交代直後から積極的な攻撃を見せ、投入4分後の65分にダメ押しとなる3点目をゲット。試合を決定づけた。
 「欲を言えばキリはないが、3点取れたことは大きい」と久々となるリーグ初戦での快勝に笑顔を見せる国士大・大澤監督。昨年一昨年とリーグ初戦で勝っていないだけに「久々にスカっとした気持ちになった。まだまだ14分の1だとは思うが、やはり初戦に勝ったということは大きい」と、好調な出だしに手応えを感じている様子。一方、「完敗です」と試合を振り返った順大・吉村監督は、予想していた以上の国士大の速さを認めながら「あと1週間で、どれだけ修正しきれるか」と、むしろ次戦への切り替えを強調した。
(写真=激しいチェックを見せる国士舘大・藤沼。1得点を挙げ攻守に活躍)

コメント


■国士舘大 大澤英雄 監督

 正直3点取れると思ってはいなかったので、3点取れたのはうれしい。やはり勝ってなんとやらというか、負け続けではチームがおかしくなってしまうので、そういう意味でも初戦を取れたことは大きいと思う。今日は順大が両サイドにボールを出さず、縦の攻撃に終始していたので守るほうにとっては楽だったのではないかと思う。藤沼・田阪のダブルボランチは、JFLのほうでも成功しているので起用したが2人とも90分間足が止まらない。必ず一人のボランチは飛び出すような形でやっているが、うまくいっているようだ。また、新人の清水は試合の状況に関わらず試そうと思っていたのだが、点を取るとは思わなかった。期待以上の活躍に満足している。

国士舘大・田中 ■国士舘 田中洋明 選手

 今日は自由にボールを持たせてもらえたし、ずっと先制点を取ろうと思っていたので狙い通りの点が取れた。ただ、後半とかもっと点が取れるチャンスはあったのに外してしまったのは課題なので、1週間練習して次の試合につなげたい。見て欲しいのはとにかく“点を取る”というところ。身体能力やポストプレーも見てほしいが、基本的には全試合必ず点を取るつもりでいるので、そこを見てほしい。


国士舘大・清水 ■国士舘大 清水康也 選手

 (途中出場時には)周りをうまく使えといわれたし、周りの選手がみんなうまいので、とにかくミスをしないことを心がけた。ただ、突破は自分の持ち味だと思うしチャンスがあればゴールを狙いたいと思っていた。ゴールとなったプレーについては、キーパーが前に出てきたから少し浮かしてゴールを狙おうと思っていた。思ったいたより少し大きすぎたけれど、うまく(ゴールに)入った。
 デビュー戦としては割とよかったと思うが、後半残り30分からの投入で相手も疲れていたし、スペースもかなりあいていた。もし前半から入っていた、もっと厳しかったと思う。だから、最初から出てどれくらいやれるかというのはわからないし、今後は最初から出られるようがんばりたい。



■順天堂大 吉村雅文 監督

 試合の狙いにしても動きだしにしても、今日は全然相手とのレベルが違っていた。大野と青葉のボランチが機能しなかったというのもあるが、ウチにはあんな狙いはつけられないし、寄せるもなにもパニックってしまってまったく対応ができない。ファーストチェックのあとの球さばきやプレスなどは練習していたが、あまりにスピードが違いすぎてそれをできるだけの時間がなかった。

Text/Photo:Reiko Iijima

College Soccer Central 2001年第75回関東大学サッカーリーグ 第1節結果